家の中やコンビニでも 今からできるSDGsアクション

SDGs(持続可能な開発目標)とは、国連サミットで定められた国際目標で、全世界が2030年までの達成を目指します。目標達成のために、私たち個人が日常的にできることは何でしょうか? 時事YouTuberのたかまつななさんが分かりやすく教えます

●私たち個人の取り組みが重要

 今、地球が悲鳴を上げています。異常気象により災害が増え、世界から戦争はなくならず、貧富の差が広がり、海をプラスチックで汚しています。これらを解決し「持続可能な社会をつくろう」というのがSDGsの考え方です。

 SDGsとは、世界の課題をみんなで解決しようと17個の目標を国連がつくりました。Sustainable (サステイナブル)Development(ディベロップメント)Goals(ゴールズ)の略で、日本語に翻訳すると「持続可能な開発目標」です。

 今よく見るこのロゴマーク。一体、私たち個人ができることはあるのでしょうか。 SDGsの始め方を考えてみたいと思います。

●1.「買い物」をするときに意識しよう

 まず簡単にできるのが、買い物をするときに意識すべきことです。

 「1円でも安い商品が売れるから」と、発展途上国の人を安価な賃金で働かせていたり児童労働をさせたりしている企業は存在します。

 しかし、私たち消費者が、「そんなブランドはお断り」という姿勢を見せると、企業側の意識も変わっていきます。私たちの消費行動で、社会を変えられることもたくさんあります。具体的に、できることをいくつかご紹介しましょう。

□服を買うときは、素材を確認しよう。ナイロンやポリエステルなどの合成繊維は、糸くずがプラスチックゴミとなり海を汚し、毛皮は動物が殺されている。

□欲しいものを手に取ったとき、その原料やつくり方、関わる人などを想像してみよう。商品ができるまでの過程で、「環境を汚してないか?」「児童労働に頼って生産されたものではないか?」と考える。

□地元で買い物をしよう。地元企業の雇用が守られ、商品の輸送や人の移動にかかるエネルギーも抑えられる。

□欲しいものをリストアップしてから、買い物を。無駄な買い物はやめよう。

□野菜は「訳あり品」を買おう。見た目が悪いから、と廃棄される野菜があるのはもったいない。

□魚を買うときには環境を守っている「MSCラベル」や「ASCラベル」、発展途上国の生産者と適正価格で取引をしていることを表す「フェアトレードのラベル」がついた商品を選ぼう。お店に陳列された商品がない場合は、お店に入れてほしいと声をかけてみよう。

●2.家での生活で意識しよう

 私たちの生活の中で、省エネやゴミを出さないためにできることはたくさんあります。また、日ごろから台風や地震などの災害が起きたときを想定しておくことが大事です。

□安全に食べられる期限(消費期限)と、おいしく食べられる期限(賞味期限)の違いを知ろう。賞味期限は切れても、直ちに食べられなくなるわけではない。

□食べきれない分は、冷凍保存できないか考えてみよう。

□エアコンを使うときは、事前にフィルターを掃除し、窓やドアの隙間を塞いで、扇風機も一緒に使おう。効率よく電力を使おう。

□災害を予測した地図「ハザードマップ」を冷蔵庫に張ったり、スマホに保存したりしよう。家族でどこに避難するか決めておこう。

□荷物の再配達をできるだけなくそう。ドライバーの人手不足、長時間労働が問題になっている。最初から自分が家にいるときに届けてもらうよう手配しよう。

3.電話をしよう
 世の中には、ありとあらゆる電話の相談サービスがあります。当事者になったときに、「どんなところに電話すればいいか事前に調べておく」「誰かを助けるために実際に電話してみる」ことが大切です。「寄付などお金を出す余裕はない」「大きな行動なんて、できない」――。でも、報告や相談なら気軽にできませんか。

□道路の穴や、ガードレールの破損、動物の死骸、落下物があるときは、【道路緊急ダイヤル(#9910)】に連絡して、事故を未然に防ごう。

□家の近くで、虐待の疑いや食事に困っている子どもがいたら【189(いちはやく・児童相談所虐待対応ダイヤル)】に電話をかけよう。

□被災地への電話が混雑でつながらない場合もある。そんなとき、【災害用伝言ダイヤル171】ならつながりやすい。安否確認の伝言を登録・確認できる。インターネット版の【災害用伝言板(web171)】もある。

●4.自分の町のことを調べよう

 知らないだけで、自分が住んでいる地域でできることはたくさんあります。地域とつながっておけば、災害があったときも安心して対処できます。自分の住む町のことを調べて行動してみましょう。

□自分の住む町に関心を持ち、「自治体の運営」や「税金の使われ方」を調べてみよう。改善してほしい点があれば、役所に連絡・議員に陳情してみよう。

□地域のボランティア活動を調べ、参加してみよう。やりがいもあり、地域の課題も分かるはず!

□近所の「子ども食堂」を調べよう。経済的に余裕のない家の子どものために、食事を提供している。地域交流や子どもの見守りの場でもある。

●5.寄付しよう

 寄付は、お金だけではありません。寄付にもいろんな種類があります。どこでどんな寄付を募集しているのか調べてみましょう。

□髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」をしよう。切った後の自分の髪の毛が、病気で髪の毛がなくなった人のウィッグ(かつら)になる。

□衣服、本、家具など、使わないものは寄付しよう。災害や紛争で苦しむ人を助けられる。「どこ」に「何を」寄付すればいいか、調べてみよう。

□まだ食べられる缶詰、冷凍食品、野菜などの食品が余ったら、フードバンクに寄付しよう。食品ロスの削減と困っている人の助けになる。

 私の会社「笑下村塾」では、SDGsについて、全国の学校へ出張授業、企業向けに研修を行っています。その内容を書籍(『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』)にしました。

 その中に、「今日からできるSDGs100のアクション」という項目があります。もっと知りたいという人は、ぜひご一読ください。

 SDGsは、17個の目標です。目標は、達成しないと意味がありません。達成させるための行動を、起こしてみませんか

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