SDGsランキング、独自計算すると日本は「54位」(上)

「SDGインデックス&ダッシュボード」というSDGs(持続可能な開発目標)の国別進捗度を示す有名なランキングがあります。ただし、国の経済規模などを考慮して、筆者が独自に「SDGsギャップ」という新たな指標で計算し直したところ、ランキングでは17位と比較的高かった日本の順位が実は「54位」だったことが分かりました。

SDGインデックス&ダッシュボードは、持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)事務局とベルテルスマン財団が毎年、ランキングを発表しています。

SDGs採択の翌年2016年から毎年SDGsの進捗状況を独自にまとめ、公表しています。国別の比較もしやすい上に、進捗状況に応じて色分けして表現しているので、とても分かりやすいレポートです。

筆者は、このレポートの数値を用いて、「真にSDGsが進んでいる国」を見つけようと考えました。GDPとPPP(購買力平価)(※1)は多くの事柄と相関を持つ重要な指標で、SDGsのスコアとの間にも高い正の相関がみられます。

真のスコアを上げるために必要なこと
そこで「SDGsギャップ」という指標を新たに作り、真にSDGsの取り組みが進んでいる国を探すことにします。SDGsギャップ率(%)は「任意の国のGDP(PPPベース)から推察される理論SDGsスコア」と「実際のSDGsスコア」から計算することができます。

SDGsギャップ率(%)=(SDGsスコア-SDGs理論値)/SDGs理論値×100

このSDGsギャップ率で順位付けをすると、単純なスコアとはかなり異なった結果が得られます。SDGsランキング17位の日本は「54位」と平凡な順位になります。

もっとも仮に日本のSDGsギャップ率の順位が17位だったとすると、SDGsスコアの順位はフィンランドとフランスの間の順位である4位まで上昇することになります。並大抵の努力ではこの順位までスコアを上げる事はできないように一見思われます。

しかし、実はゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」のスコアを両国並にするだけで実現できます。日本のSDGsへの取り組みが平凡なものに留まっているのは、取り組みが非常に遅れているゴールがあるからと言えます。

※1 PPP:購買力平価(Purchasing Power Parity)のこと。一国の通貨と他国の通貨との換算比率の一種で、それぞれの通貨の購買力 (買える財やサービスの量)が等しくなるように計算して求められる。例えば、ビール1缶の値段を日本では200円、米国で70セントとした場合、ビールでみた円とドルの購買力平価は1ドル=285.7円(200円÷0.7ドル) となる。

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