近江牛の革、琵琶湖ブルーでかばんに 原点はよろい用、肉は養生薬

近江牛の歴史の原点である革の魅力を発信しようと、滋賀県湖東地域の牧場と革職人らが協力し、近江牛革のかばんや名刺入れを作った。琵琶湖をイメージした深い青色に仕上げ、企画した職人らは「滋賀県を盛り上げるきっかけになれば」と期待を込めている。

 江戸時代、日本では牛を食べることが禁じられていたが、彦根藩では、よろいや陣太鼓などを作るため、牛の飼育や解体が認められていた。肉はみそ漬けにし、養生薬として将軍に献上したことが、近江牛の始まりとされている。
 近年は人工皮革の技術向上で、素材としての国産牛の皮の需要が下がり、捨てることもあるという。近江牛の原点・革を生かそうと、竜王町の岡喜牧場と、近江八幡市の革製品製造販売Cogocoro(コゴコロ)が、製作を企画した。生命を無駄にせずに最大限活用し、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に取り組む姿勢も込めた。
 出荷した牛の皮を再活用し、「琵琶湖ブルー」に染め上げて作ったのは、財布やキーケースなど6種類の革製品。かばんは高島の帆布と革を組み合わせた。近江牛の皮は、柔らかくて厚みがあるのが特徴。表面がざらりとし、色がきれいに入るため、革小物に向いているという。
 企画した岡喜牧場の岡山和弘さん(47)は「食と、それ以外の視点を両立し、近江牛の良さを伝えたい」、Cogocoroの田中秀樹さん(46)は「滋賀県発のブランド品として、定着させていきたい」と話す。
 商品は4千円~2万円(税別)。両社のホームページや店舗で購入できる。

出荷した牛の皮でかばんを染める。すごい発想だな。もったいないという精神から思いついたんだろうな。

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