「消滅しない」都道府県ランキング!3位福岡、2位北海道、1位は?

人口減少、少子高齢化が年々深刻さを増す日本の地方。地域を持続させるために、各地方自治体が経済面、福祉面などでさまざまな施策を行っているが、苦戦を強いられているところが少なくない。

では、そうしたなかでも地域の持続性が高い、すなわち「消滅しない」力を持っている都道府県はどこなのか。

 ブランド総合研究所は今年6月に「都道府県版SDGs調査2020」を実施し、その中で、地域の持続性に関する4つの指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度)の平均値を都道府県の「持続度」として算出している。

 多くの住民が生活に不満があり、不幸だと思い、その地域への愛着もなく、住み続けたくないと思ったら、その地域は間違いなく消滅に向かうだろう。逆に、生活に満足し、幸せに感じ、その地域に愛着があり、住み続けたいと思う住民が多ければ、その地域は消滅することはないはずだ。そこで、これらの4つを消滅しないための指数「持続度」とした。

 今回はその持続度の高い都道府県から順にランキング化した、「消滅しない都道府県ランキング」を紹介していこう。

 ※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートはインターネットにて実施。1万6000人から回答を得た(各都道府県から約350人)。調査期間は2020年6月12日~29日。昨年度の調査結果(順位)は、性別や世代などの属性で新たにウェイトバック集計を行ったため、昨年度発表の順位と異なる。

● 消滅しない都道府県ランキング 1位は沖縄県、2位は北海道に!

 「消滅しない都道府県ランキング」1位は、昨年4位の沖縄県(持続度〈以下、同じ〉:75.5点)となった。満足度は47都道府県中1位、幸福度、愛着度、定住意欲度でも2位と、ランキングの基となった4つの指標全てで高い結果だった。

 2位は北海道(74.9点)で、昨年の1位から順位を1つ下げたが、愛着度と定住意欲度は1位、満足度は6位と上位だった。ただし、幸福度は32位と高くはない。

 3位は昨年9位の福岡県(74.0点)、4位は石川県(72.7点)、5位には幸福度で1位の宮崎県(71.7点)が続いた。

 新型コロナの影響で 地域の「消滅度」に変化?

 今回、4つの指標(幸福度、満足度、愛着度、定住意欲度)から算出した「持続度」で都道府県をランキング化した結果を見ると、実は昨年までは上位だった大都市圏にある都道府県が軒並み順位を落としていることがわかる。

 例えば、神奈川県は昨年15位だったが32位に、千葉県は昨年21位から40位に、愛知県は昨年3位から17位にまでランクダウンしている。4つの指標からより詳しく見ていくと、神奈川県の定住意欲度は昨年10位から23位に落ちており、千葉県では生活満足度が昨年4位から26位になるなど、その影響が持続度に大きく響く結果となった。

 その一方で、順位を上げているのが、鳥取県、大分県、岩手県といった地方の県だ。鳥取県は昨年44位から11位に、大分県は昨年27位から14位に、岩手県は昨年42位から21位にまでランクアップした。

 なかでも岩手県は愛着度が昨年の72.6点から78.9点へと大きくアップしており、それが持続度での順位上昇につながったようだ。

 鳥取県は今年4月に「鳥取県SDGs推進本部」を設置し、「とっとりSDGs宣言」を行うなど、積極的に持続可能な地域社会づくりを実現する取り組みを行っている。「SDGsへの取り組みの評価が高い都道府県ランキング」でも鳥取県はダントツの1位だった。

 こうした順位の大きな変動について、同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長はこのように分析する。

 「本調査は、新型コロナウイルス感染拡大への懸念が残る6月に実施した。そのため、持続度の結果は、各自治体の感染状況やコロナ対応などに感じる満足度と、それを踏まえた上での定住意欲度、愛着度を反映したものになっている。

 大都市圏では感染があっという間に広がったことで地域への不安が増し、地方では比較的感染が抑えられたことで一定の安心感につながった。コロナは、地域の持続性に対する評価が大きく変化するきっかけになったと言っていいのではないか」

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