農業で「SDGs」推進 白河の肥料取扱業者と連携

白河市の肥料農薬取扱業・カタノは地元の農業法人と連携し、作業の省力化や環境保全など、農業における「SDGs(持続可能な開発目標)」の取り組みを推進している。

 同社はコメや野菜の肥料が硫黄でコーティングされた製品を販売している。栄養成分が時間をかけて溶け出していき、効果が長く続くため、生育に合わせて肥料を追加する作業が省ける。

 コスト面などを理由に樹脂で覆われた肥料が使われることが多いが、樹脂は使用後、直径数ミリの殻が残る。ほ場に残ったり河川や海に流出したりすることで、環境汚染につながると懸念されている。一方で硫黄は自然分解されるため、環境に配慮した製品として注目されている。

 市内の農業法人では今年からネギ栽培で硫黄コーティング肥料を試験的に取り入れた。追肥の回数が減ることで省力化できる。硫黄はネギの香味を増す効果があり品質向上も期待できる。収穫量は約四十六トンを見込む。

 同法人の滝田国男専務は「コストなど全体的な成果を整理しつつ前向きに取り組む」と語った。カタノの片野仁人社長は「効率良く作業でき、環境保全にもつながることを周知し、SDGsを推進したい」と話した。

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