「SDGs北海道から未来へ」。国連が掲げている17の目標がありますが、今回、取り上げるのはこちら…「10番・人や国の不平等をなくそう」です。新型コロナウイルスの感染拡大で、マスク不足が深刻になりました。中でも不足する子ども用マスクを、困っている子どもたちに届けようと、あるプロジェクトが始まっています。
この日、3か月ぶりに再開した「ぴらけしみんな食堂」。通っているのは、一人親家庭などの子どもたち。この日は、あるプレゼントが…。
「マスク選んで…」(食堂スタッフ)
「こっちがいい!」(女の子)
子どもたちが手にしたのはマスクです。
「こちらの1枚は、寄付付きのマスクなんですけど…」(エシカル・タイム 村上彩子オーナー)
この子ども用マスクを寄付するプロジェクト「MaskForTwo(マスク・フォー・ツー)」。企画したのは「エシカル・タイム」の店主、村上彩子(むらかみ・あやこ)さんです。
「子ども用マスクがすごく不足していることを聞きまして、苦しい時だからこそ、誰かのために役に立つ『寄付付きのマスク』を思いつきました」(エシカル・タイム 村上彩子オーナー)
村上さんの店で、布マスク1枚を購入すると、子ども用のマスク1枚を店が寄付するものです。
村上さんは開発途上国などから適正な価格で仕入れ、低賃金で働く労働者を減らす取り組み、フェアトレードの専門店を営んでいます。
「フェアトレードというと、開発途上国や貧困国を助けるというイメージが多いと思うんですけど、国内においても本当に困っている方がいらっしゃるので、身近で何かできる支援ができればいいなと」(エシカル・タイム 村上彩子オーナー)
子ども用マスクを作っているのは、札幌の就労支援事業所です。
「細かく切る、小さく切るのが難しい」「喜んでくださるかなと、気持ちを込めてつくらせていただいております」(事業所で働く人)
障害のある人たちにマスクをつくってもらうことで、就労支援に役立ててもらうのも、このプロジェクトの狙いです。
「障害当事者の方たちは、今まで世の中のいろいろなサービスを受ける、受け身ばかりだったんですけど、やっとお返しができるという喜びですね」(エリオスSAPPORO・櫻井圭管理者)
「たくさんの人たちが考えてくれているのだなと、すごく温かい気持ちになりました」(マスクを受け取った子どもの保護者)
マスクを通じ、障害や年齢などによる雇用や感染症での不平等をなくしていきたい…SDGsの取り組みは、小さなマスクからも始まるのかもしれません。