菓子製造販売のハレルヤ（徳島県松茂町）が、銘菓「金長まんじゅう」の夏季限定の新商品「冷やし生金長」の販売を始めた。昨年発売した冬季限定の「生金長」に続く生金長ブランドの第2弾。「徳島土産の新たな定番になる」と早くも話題沸騰の商品はどのように生まれたのか。若手女性社員中心の開発チームで企画立案を中心になって担った製造部の酒井桃子さん（28）に聞いた。
冷やし生金長は、ほろ苦い味わいのチョコレートクリームとチョコホイップクリームを、県産和三盆糖を使ったチョコ風味のわらび餅で包んでいる。冷蔵庫で冷やして食べると、冷たくてぷるぷるとしたわらび餅の食感と、さまざまな味わいのチョコのハーモニーを楽しむことができる。
酒井さんらのチームは、2017年の金長まんじゅう発売80周年を記念して、金長まんじゅうの特徴であるチョコを生かし、とろけるような食感にこだわった生金長を開発。この売れ行きが好調で、販売店から「夏場にも売りたい」との要望が寄せられたことから第2弾の開発に着手した。
夏場でもおいしくチョコを味わってもらおうと、さまざまな生地を試した中からさっぱりとした味わいで見た目も涼しげなわらび餅を選択。わらび餅とクリームの最も口溶けの良いバランスや、チョコとクリームをおいしく保つための温度設定を試行錯誤を重ねて見つけていった。
国連が提唱するSDGs（持続可能な開発目標）とESD（持続可能な開発のための教育）を取り入れていることもあり、チョコクリームには発展途上国の生産者と公正な価格で取引する「フェアトレード」で購入したチョコレートを使っている。
酒井さんは「暑い夏にぴったりの自信作なので、たくさんの人に味わってほしい」と力を込め、「努力と勉強を今後も続けて、お客様に満足してもらえるような商品をこれからも作りたい」と抱負を述べた。
冷やし生金長 価格は1個180円、箱入り3個600円（いずれも税別）。県内のハレルヤスイーツキッチン3店舗をはじめ、キョーエイやフジグランの一部店舗、ゆめタウン徳島などで販売している。