マツキヨの人気PB「アルジェラン」を手掛けるカラーズ 環境や社会問題に取り組むプロジェクト始動

マツモトキヨシの人気プライベートブランド「アルジェラン(ARGELAN)」などを手掛けるカラーズは、創業20周年を迎えた今年、環境や社会問題に取り組むプロジェクト「カラーズ ネクスト 20」をスタートさせた。世界と日本が抱える問題点を6つ掲げ、持続可能な経済活動や社会づくりを軸にしながら今後20年をかけて目標を実現していく

同社は広告制作会社として創業したが2008年から化粧品ブランドの開発に携わり、以降オーガニックコスメなどを手掛けてきた。「これまでの20年は多くの人の支えによって企業体として形になったと感じている。今後20年は人や社会、地球に恩返しすることが使命だ」(橋本宗樹カラーズ社長)と同プロジェクトを立ち上げたという。これを機に、モダンクリーンカンパニー(都会的で先進的な精神をもち、人や地球に誠実な企業)へ進化を目指す。

6つの問題点として、現代人のストレス、地球環境、地方の衰退、日本の貧困、少子高齢化、多様性の欠如を挙げ、それに対して10のプロジェクトを立ち上げて30年までにSDGsの視点で、40年までに“カラーズ ネクスト 20”の視点で達成する目標を定めた。すでに実現に向けて社内で6つのチーム(部署ごとや、一部部署を横断した形もあり)をつくって取り組みを始めている。

「現代人のストレス」

具体的には、現代人のストレスに対しては、“ストレスを日常的にケアして、強い心と体を作る”をテーマに、30年までに多角的に証明された精油によるストレスマネジメントメソッドを生み出す。そして40年までに精油によるストレスマネジメントを日常化する。

「地球環境」

地球環境については、“CO2とプラスチックいよる環境悪化を止める”をテーマに、30年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出を抑制で相殺すること)の達成と、容器や資材の50%削減を目指す。40年までにカーボンポジティブ(二酸化炭素を取り込む量が排出量を上回ること)の達成と、容器や資材の90%削減、創業以来排出したCO2を回収する。

「地方の衰退」

地方の衰退に対しては、“衰退する地方に産業を生み出し、活性化する”をテーマに、30年までに3億円規模の精油事業を1カ所創出し、リトリート(保養)施設を1カ所造る。40年までには3億円規模の精油産業を5カ所に創出し、リトリート施設を3カ所造る。

「日本の貧困」

日本の貧困については、“相対的貧困による将来への弊害を軽減する”をテーマに、30年までにシングルマザーの雇用環境による心理的不安、周囲の不理解をなくす、児童養護施設への支援の輪を拡大する。40年までに、仕事をすることで貧困から脱却できる社会と、子どもへのサポートが当たり前の社会を実現する。

「少子高齢化」

少子高齢化では、“高齢者のQOLを高め、現役世代の負荷を減らし、介護者のケアを進める”をテーマに、30年までに精油によるQOLマネジメント実施を、要介護者で5万人、介護者で1万人に対して提供する。40年までには要介護者を10万人、介護者を2万人まで広げる。

「多様性の欠如」

多様性の欠如については、“個性が尊重される社会を目指し、LGBTQやジェンダーギャップ理解の輪を広げる”をテーマに、30年までに同社の全てのパートナーが多様性を尊重した企業活動を行う。40年までに日本で多様性を尊重した考え方、行動をとる人を増やす。

同社は10年スパンの目標を掲げることで、近代的な暮らしを維持しながらも持続可能な生き方を実現していく。さらに未来に目を背けず、問題に鋭く切り込むことで「日本らしい他者を敬う精神と、現代の自由で寛容なスタイルを組み合わせて社会をアップデートし、本当に必要とされる会社に進化させていく」と述べた。

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