「エシカル」6割が興味 購入4割 課題は価格 消費者庁調査

消費者庁の2019年度の消費者意識調査で、人や社会、環境に配慮した消費行動「エシカル(倫理的)消費」に興味を持つ人の割合が6割に上り、前回調査(16年度)に比べ1・6倍になった。農業関係では地産地消などがエシカル消費に該当する。ただ、対応する商品を購入したい人も8割に達した一方、価格の高さなどから実際に購入した人は4割にとどまった。

 調査は今年2月、全国の15~65歳の消費者2803人にインターネットで行った。エシカル消費に「非常に興味がある」「ある程度興味がある」とした人は59%で、前回調査より23ポイント増えた。年代別では50、60代が65%で最も高く、性別で見ると男性が54%、女性が65%だった。

 エシカル消費につながる商品やサービスを「購入経験があり今後も購入したい」「購入したことがないが今後は購入したい」とした人は合計81%で、前回調査に比べ19ポイント増えた。一方、購入経験がある人は40%。購入したくない理由は「価格の高さ」「本当にエシカル消費につながっているか分からない」が上位だった。

 エシカル商品の提供が企業イメージ向上につながるかを聞くと、80%の人が「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えた。企業が社会的責任(CSR)活動の一環で、エシカル商品を開発・販売する追い風になりそうだ。消費者庁はエシカル消費の認知度を高め、消費行動につなげるため、分かりやすく説明する動画を作る予定だ。

<ことば> エシカル消費
 エシカルは「倫理的」の意味。社会や環境に配慮した消費行動や、課題解決に取り組む事業者を商品の購入で応援すること。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17ある目標のうち、12番目の「つくる責任つかう責任」に関連する。エコ、フェアトレード、地産地消、被災地産品などがある。

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